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Project-Based Learning

2022年9月20日

任你博 芸術学部
地元産業界等と連携した実践的PBLを含む授業科目等の開講の実施


1. 連携している地元産業界等の組織名称

トヨタカローラ山形株式会社


2. 当該授業等を実施する学部?学科

芸術学部文化財保存修復学科?歴史遺産学科?美術科


3. 当該授業等を開講する目的

  • 学科で身につけた力をどのように社会で生かすかを考えられる
  • 社会と接点を持ち、社会性を身につける
  • グループで課題を設定し、解決していくプロセスを組み立てられる

4. 当該授業等の具体的な内容

課題の設定

大学で学んだことをどのように社会に繋げていくかを考える一環として、2018年からトヨタカローラ山形様のご協力を得て課題を提起していただいている。毎年少しずつ変わっているが、2022年は安全運転支援車(サポカー)と環境に優しいエコカーをどのようにして普及させていくかをテーマと設定した。ただ普及させることではなく、背景にあるSDGsやカーボンニュートラル、昨今の車にまつわるデータなどをご説明いただき、それらを踏まえたうえでグループごとに仮説を立て、ターゲットや告知手段を自由に考えてもらった。

PBL 型学修の実施

「キャリア課題研究(文化財)、現代社会解剖学2(歴史遺産)キャリアマネジメント(美術科)」は半期で15回(1回80分)の授業を行っており、そのうち1回はトヨタカローラ山形様からの課題提起、その後6回を使ってグループワーク(1 グループ8~10名程度の20グループ)の形式でPBL型学修を実施した。また、2週に亘ってプレゼンテーションを行い、最終的にトヨタカローラ山形様より優秀な課題解決策について賞を頂いた。


5. 総評

「地域と共に、愛される企業を目指して」と題し、より安全で環境に優しいクルマ社会に向けたサポカーや電動車の更なる普及、そして新たなお客様を増やすための企業ブランディングを課題として示しました。教育というと知識習得が主のように思いますが、PBL授業では課題に対してグループワークを通し具体的な解決案としてまとめ、プレゼンテーションという形で発表していただきます。今年も20グループの発表を拝聴しましたが、「後生畏るべし」というのが実感です。現状を分析し仮説を立て、裏付けされた根拠をもとに結論に至りますが、素晴らしいのは課題解決の企画案をポスターやツールとして提案してくれることです。授業時間だけでの制作は困難であり、各グループが自主的に集まり、本気で意見と知恵を出しあった結果と強く感じます。グループワークの中で互いに理解を深め、課題解決へのプロセスを学び、プレゼンテーション?作品発表まで進めるPBL授業は、学んだ知識を使える知恵に変える「生きる力」を学ぶ授業であり、学生の成長を感じます。私どもの役割は、発表された企画案を実際の企業活動に取り入れて形にしていくことと考えています。

(トヨタカローラ山形株式会社執行役員 営業戦略室部長 本木宏雄様)